日本語に活きる中国故事

習近平、万事休すか

中國故事

【日本語に生きる中国故事成語】習近平、万事休すか

「習近平、万事休すか…とうとう日米豪印が『中国包囲網』へと動き始めた…!」(現代ビジネス、2021.3.12)

安倍前首相の提唱が端緒となって生まれた日米豪印4か国による安全保障や経済を協議する枠組み、いわゆるQUAD(クアッド)の初の首脳会議が昨年3月12日にオンラインで開催された。記事によると、最大の焦点は、「中国に対する包囲網を具体的にどう形成するか」だという。

その後、同年9月24日に、ワシントンDCで初の対面による首脳会議が行われ、4カ国首脳は共同声明で、中国を念頭に「我々は国際法に根ざし、威圧にひるまず、自由で開かれたルールに基づく秩序を推進する」と宣言した。(朝日新聞DIGITAL、2021.9.25)

その後も、米国や豪州等による北京五輪の外交的ボイコットや、リトアニアの台湾代表処開設による反中国共産党の動きなどによって、民主主義国の中国包囲網はますます強固になってきているが、いまだ習近平は「万事休す」には至っていない。

「万事休す」ということばは、『宋史』の「荊南高氏世家」の故事に由来すると言われる。

中国五代十国時代の小国・荊南(けいなん、907年~963年)の節度使(のちに国王)である高従誨(こうじゅうかい)には高保勗(こうほきょく)という子供がいた。保勗がまだ幼いころ、従誨はどんなに怒っていても、この子を見れば途端に機嫌がよくなるほどに保勗を溺愛していた。その様子を見た荊州の人々は、これで【全てが終わった】と嘆いたという。

果たして、溺愛されて育った保勗は、荊南節度使の地位を継いだ後、無用な土木工事を起こし、享楽に明け暮れたために民心は離れ、結局、保勗没後の翌年、荊南は滅んでしまったという。

この故事の【全てが終わった】の部分の原文が「萬事休」で、それがそのまま「万事休す」として日本語に取り入れられたということである。

(瀬戸 2022/1/4執筆)

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