日本語に活きる中国故事

岸田内閣の「臨機応変」に好意的

中國故事

【日本語に活きる中国故事】岸田内閣の「臨機応変」に好意的

「臨機応変に会談を延期するなど、いろいろな方法があった。」(THE SANKEI NEWS、2022.2.17)

 ロシアのウクライナ侵攻の可能性が高まり、政府がG7各国と連携して対露制裁発動を検討中にもかかわらず、林芳正外相がロシアとの間で経済協力に関する閣僚会合を開いたことから、自民党の高市早苗政調会長が「ロシアを利することになる」として批判した際に述べたことばである。

 「臨機応変」ということばは、次の故事に由来すると言われる。

 南朝梁の第六代皇帝である蕭淵明は、何の計略も出さず、号令を発することもなかった。諸将があれこれと相談するたびに怒って、「吾は自ら【臨機応変】に事に当たる。余計なことを言うな」と言った。(『南史』梁宗室上、長沙宣武王懿子明伝)

 この故事の【 】の原文は「臨機制變」(機に臨みて変を制す)で、ここから「臨機應變」(機に臨みて変に応ず)と派生したものと考えられる。ただし、現代中国語では「隨機應變」がより一般的。

 ここで、日本語の例をもう一つ。

不支持率は低水準 「臨機応変」に好意的(THE SANKEI NEWS、2022.1.24)

 世論調査では、岸田内閣の支持率が依然高い水準を維持しており、「政策面での臨機応変な対応が好意的に受け止められている」ようであるが、内実は「積極的な理由で支持されているとは言いがたい」とのこと。

 福沢諭吉も『政事と教育と分離すべし』の中で、「左顧右視、臨機応変、一日片時も怠慢に附すべからず、一小事件も容易に看過すべからず」と述べているように、政治は「臨機応変」が求められるが、それは決して表面に現れた状況に対する「行き当たりばったり」の対応であってはならない。

(瀬戸 2022/2/20執筆)

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